2007年12月09日

[購入] 美濃

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吉祥寺の古本SHOP「百年」店主が、大市にてなんと小島信夫を38冊落札したという情報をブログで知り、さらに、『残酷日記』などめずらしいのもあります、という言葉に僕の期待値は沸点まで高まり、いてもたってもいられず昨晩吉祥寺へ足を運んだのだけど、お店はイベントの都合で19時で閉店してしまっていて、肩を落として家路に着く僕をなだめる妻の賛助もあって、本日再び出向くことになった。

店内に入ってすぐ左手の棚にそれらは並べられていて、次の瞬間グラリと揺れたのでまた地震かと思ったのだが、揺れているのは僕ひとりであって、つまり今まで見たことのない圧倒的光景に眩暈がしたのであった。僕はそこに15分ほど張り付いたままで、棚の左から順に一冊ずつ値段とコンディションなどを確認するのだが、なにせ人気店のために他のお客さんの出入りも頻繁で、その邪魔にならないように身をこなさなくてはならず、恍惚とした表情で頁を繰る僕の所作も途切れ途切れになってしまうのだが、結局すべて確認し終えたところで妻とも相談し、傑作の誉れ高き「美濃」を購入することを決めた。

別れる理由(全3巻)、ハッピネス、釣堀池、残酷日記、愛の告白、アメリカンスクール、私の作家評伝、うるわしき日々、こよなく愛した、各務原・名古屋・国立、一寸さきは闇、どちらでも、墓碑銘、文学断章、そして美濃。その他とても書き切れぬ在庫タイトルをここで延々と並べたところでこのブログの数少ない読者にはまったく退屈以外のなにものでもなく、こうして小島信夫の文体の下手なモノマネを衆目に晒すのも故人への冒涜かと思われるかもしれぬ。しかし、おそらくこれまでの人生でもっとも高額な一冊となった「美濃」を手に、同じ小島信夫好きの店主と二言三言語らい、帰宅後、一気呵成に第1章を読み終えてしまった僕の心のどこかには、なぜだかわからぬがそうせずにはいられない衝動のようなものが絶え間なく渦巻いているのである。
posted by ノジマコブオ at 00:00| 購入