2007年05月25日

[訃報] 大庭みな子

「三匹の蟹」で芥川賞、作家の大庭みな子さんが死去
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/53390/

残念なニュースである。ここ10年間は脳梗塞の後遺症で半身不随の生活を送られていた。昨年亡くなった小島信夫とも旧知の仲で、「抱擁家族」の続編となる「うるわしき日々」の新聞連載を薦めたのも彼女であった。ご冥福をお祈りします。

それにしても、作家が亡くなった際の新聞見出しにはなぜ「芥川賞作家」や「直木賞作家」といった決まり文句ばかりが躍るのだろうか。例えば大庭みな子は芥川賞以降も谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、読売文学賞、川端康成文学賞と、純文学の王道たる重厚な受賞経歴を誇っているにもかかわらず、やはり「芥川賞作家の〜」となる。知名度の違いであるということは重々承知した上で僕は言いたい。単なる新人賞のひとつでしかない「芥川賞」という名前に付随する様々な思惑や思慮が、それ以降の作家の功績や作品性に対する注目を弱化させ、読者が「本当の代表作」に触れる機会を奪っている恐れがないだろうか。

そういえば小島信夫が亡くなったときの見出しも「芥川賞作家の小島信夫さん死去」だった。谷崎潤一郎賞、芸術選奨文部大臣賞、日本文学大賞、日本芸術院賞、野間文芸賞、読売文学賞を受賞した作家小島信夫氏が死去、とは決してならない。
posted by ノジマコブオ at 00:00| 雑談