2007年04月17日

[読了] 夫のいない部屋

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[Amazon: 初版 / 短篇集成]
団地は窓から目ざめる。いつも誰かに見られている団地妻がたまたま出会った旧知の男。白昼の部屋はやがて密会の場所へ。互いの傷にふれあうオトナの情事!ホロにがい情事小説! (帯)
エンターティンメントふうの作品とは何であるのか?エンターティンメントふうのものの方が、お前のは読めるではないか?こういう問いには、筆者は沈黙することにしよう。そのかわり、古い作品で欲がふかいかもしれぬが、表には出ない哀しみを読みとってもらえれば、どんなにうれしいだろう、とだけはいっておくことにする。 (あとがきより抜粋)
短編集。収録作は以下のとおり。

:: 夫のいない部屋
:: アメリカを買う
:: デイトの仕方
:: 教壇日誌
:: 受験シーズン
:: カメラ遭難せず
:: R宣伝社
:: 花と魚

「ホロにがい情事小説!」という帯のコピーが必要以上に目立つような気がして、電車内で読むのは少々憚られたのだが、ブックカバーをつけることで解決した。些細な問題である。収録作はすべて面白かったが、もっとも印象に残ったのは「カメラ遭難せず」。乗っていた船が遭難するという緊迫したシチュエーションでありながら、主人公の二人のやりとりにはユーモラスな妙味がある。「カメラ遭難せず」「R宣伝社」「花と魚」等においては、被害者と加害者を隔てているものの危うさ、また信頼と裏切りを隔てているものの危うさについて考えさせられる。
posted by ノジマコブオ at 00:00| Comment(0) | 読了
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