2007年03月18日

[読了] 抱擁家族


妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。無気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。谷崎賞受賞。 (裏表紙)
初めて触れた小島作品。崩壊していく家族の形、病に蝕まれていく妻の姿、欠落していく父性。重くシリアスな展開のなかであっても、「どうしてあなたはいつも〜なのよう」という妻の台詞が出現するたび、その語感からある種のおかしみが滲み出る。小島信夫の文学は難解だと言われている。僕は作品に込められた作者の意思やコンセプトを十全に理解することはできないかもしれない。だけど僕は僕なりの方法で小島信夫の文学にアプローチしていきたいと思う。
posted by ノジマコブオ at 00:00| 読了